2024年1月1日。
元日の北陸を大きな地震が襲いました。
そのとき私はコロナ明け3年ぶりに埼玉に帰省し、家族とテレビを見ながら早い夕食をとっていました。関東でも長い揺れが続きましたが、上越はどうなっているだろうかとすぐにスタッフとLINEで連絡を取り合い、会社のほど近くに住むスタッフ大樹から会社の様子を撮影したLINEが送られてきました。
若干のタイヤや漫画の入った本棚が倒れましたが、甚大な被害もなくひとまず一安心。
すると86歳になる親父が「こんなとき親方がいなくてどうする」と珍しくいいことを言いまして、翌日の朝急ぎ上越に戻ることにしました。
2日の昼前に上越に帰着、とても晴れた日でしたがなんとなくスタッフ全員会社に集合、仕事始めより前にお互いの無事の確認をしあう正月でした。
一方被災地の被害はニュースの画面も想像を絶するもので、被害に遭われた方には心よりお見舞いを申し上げる次第です。
そんな中、久しぶりにコラムを書いてみようという気になったお客様がいましたのでご紹介します。
1月23日火曜日、タイヤの相談の電話がありました。
聞けば、千葉県から石川県に向かおうとしたが夏タイヤのまま来てしまい中古スタッドレスを探しているとのこと。名立谷浜SAまで来てスタッドレスが必要だと気づき当店に連絡をくれました。
車種はホンダエアウェイブでした。
エアウェイブは販売終了しているうえに185/65R14という他車種がほとんど採用していないタイヤサイズのため中古在庫がめったにありません。
この日の夕方から北陸はかなりの雪になりそうだし、作業するならこの日しかありません。
他店も含めて当たってもらうことや富山まで進んで探すことも提案してみたのですが、当店に互換サイズ175/70R14の中古スタッドレスがありました。間に合わせにはちょうどよいだろうと提示、ご成約となりました。
さてこのお客様。
自営で建築系の仕事をしており、東日本大震災のとき石川県から駆けつけてくれた多くの人に助けられたそうです。今回の地震で自分が何か力になれないか。行っても何もできずに帰ってくるだけになるかもしれないけれど何かしなければいけない。そういう気持ちで千葉を飛び出してきたとのことでした。
もちろん単なる美談ではなく、仕事が少ない地元よりも何か仕事があるかもしれない、という気持ちも含めて。
被災地にやみくもに外から人が入ることに賛否はあるでしょう。
ただ、政府が「公助」は後で先に「自助」「共助」だと責任を国民に放り投げてしまった日本です。このお客様の衝動を止めることはもちろん私にはできません。
そんなことで無事スタッドレスに履き替えて、目指すは石川県。
作業を待っている間、暖かい待合のソファで長旅に疲れて眠っていた表情が忘れられません。
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なお、今日1月24日にも関西から夏タイヤのまま来てしまい中古スタッドレスを探しているという問い合わせをいただきました。
こちらは当店に在庫がまったくなく、雪の中夏タイヤで走り回らなくてよいような順位でホテルの近くのガソリンスタンド、タイヤ店を紹介するだけしかできませんでしたのでこの程度の記載に留めておきます。
(今井)